クバタン (Cubatão)
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1980年代初頭に世界最悪水準の深刻な環境汚染にさいなまれ、無脳児の出生や呼吸器・肝臓・血液系の病気がまん延し「死の谷」と呼ばれた. 高濃度の空気汚染は一帯の森林を枯らすほどであった. 貧困層があぶれ、『ポピュラーサイエンス』誌の世界で最も汚い都市トップ10にもランクインした.
1984年2月25日、漏れた石油がヴィラ・ソコの貧民街で引火し、公式発表によると93人が死亡した. 1992年の地球サミットで、グリーンピースは従業員のPOPs汚染の当事者たるローディア社を世界最悪の企業犯罪トップ10に入れた.
市内における汚染対策には、これまでに12億ドルが費やされた. これによって大きな成果が挙がったが、土壌や地下水まで含めた除染は不可能であるうえ、今でも狭い地域に多くの大規模工場が操業を続けている.
セパルトゥラの曲 Biotech is Godzilla (『ケイオスA.D.』所収)には「世界一汚い町、クバタンみたいに空気は顔を溶かし、世界中の子どもたちを奇形にさせる」という一節がある.